ペルシャ湾の宿題 2012 12 31

 私は、2012年11月4日に、
「将来、アメリカから、ペルシャ湾は、
『日本が自力で守れ』と言われる日が来るでしょう」と書きました。
(その理由は、「ペルシャ湾 2012 11 4」を読んでください)
 これに対して、日本人の多くは、
「厳しいことになる。どうしたものか」という反応でした。
 こうした反応になってしまうのは、やむを得ないと思います。
日本人にとって、外交戦略や外交交渉は、最も苦手とする分野だからです。
 このような宿題に対して、解答は、いくつかありますが、
私から、そのひとつを書いておきましょう。
 日本は、インドと軍事同盟を結ぶことです。
これで、大きな反響が来るでしょうから、
その時は、インドと、
経済同盟やエネルギー同盟を結ぶという具合にすればよいのです。
 最初は大きく出て、後は着実に駒を進める。
今まで、日本は、そういう戦略を使ったことがなかったでしょう。
いや、そもそも戦略的な思考ができなかったでしょう。
 さて、インドは、ロシアへアクセスする窓口でもありますので、
日本にとっては、どういう形の同盟にするかは別としても、
インドとの同盟は、戦略的に価値があります。
 中国が尖閣諸島の問題で夢中になっている間に、
インドやロシアとの同盟を進めるべきでしょう。
つまり、インド、日本、ロシアの戦略的同盟です。
 ここで、多くの日本人は、アメリカは、どうするのかと思ったでしょうが、
アメリカは、内政問題で手一杯で、外交に出てくることができないでしょう。
これから将来も、内政問題で身動きが取れない状態が続くでしょう。
 私が中国の軍事指導者だったら、
アメリカが内政問題で夢中になるように、いろいろと工作するでしょう。
共和党政権ができるまでの4年間で、取れるものは取ったほうがよいと考えるからです。
 アメリカのアジア・シフトと言っても、
結局、「外交的な解決で」と繰り返すだけで、実質的には中身はないと思います。
 だからこそ、中国から見れば、この4年間は、アメリカのバーゲンセールなので、
何でも取れるものは取ったほうがよいと思うのです。

ペルシャ湾 2012 11 4
 将来、アメリカから、
「ペルシャ湾は、日本が自力で守れ」と言われる日が来るでしょう。
 現在、ペルシャ湾は、バーレーンに司令部を置く、
アメリカ第5艦隊(空母を含む)が守っていますが、
この体制が、いつまで維持できるか。
 アメリカは、いつの間にか、原油輸入の多様化を進め、
原油の中東への依存度は、かなり下がっています。
 やがて、アメリカは、中東なしでも、
原油も天然ガスも輸入先に困らないということになるでしょう。
さらに、今、アメリカは、シェールガスやシェールオイルで盛り上がっています。
 これは、もしかすると、禁断の果実を口にしたかもしれませんが、
いずれにせよ、アメリカの国内資源は有力です。
つまり、アメリカの中東への関心は下がっていくでしょう。
 問題は、アメリカの納税者の動向です。
「巨額の税金を使って、アメリカ第5艦隊を駐留させているが、
これは、税金の無駄遣いではないか」という声も出てくるかもしれません。
 そうなると、いったい、どこの国が、
ペルシャ湾の原油や天然ガスを最も利用しているのか。
つまり、最も恩恵を受けている国が、ペルシャ湾を守るべきではないかとなるでしょう。
その国とは、日本です。
 相変わらず、日本の政治家は、天下泰平の日々を過ごしているでしょうが、
本当に、のんびりしていていいのか。
 親米派の政治家は、「日米軍事同盟があるから大丈夫だ」と言うでしょうが、
はたして、それでアメリカの納税者を納得させることができるのか。
 世界は、刻々と変わりつつあるのです。
にもかかわらず、日本の政治家の頭は、終戦直後のままです。

空母 aircraft carrier 2005 2 17
 日本は、将来的に、空母が必要になるでしょう。
なぜかというと、アメリカの軍事力が弱体化するからです。
 アメリカは、巨額の財政赤字を抱えています。
それは、天文学的な数字です。
これでは、いつか「空母セット」が維持できなくなります。
(空母と駆逐艦のセットを維持するには、巨額の経費がかかります)。
 日本人が贅沢できるのは、貿易で、金儲けしているからです。
そして、儲けた「お金」で、世界中から、資源や食糧を買い集めているからです。
 こうした「日本の贅沢」は、アメリカの軍事力が弱体化すれば、終わりです。
まさか、飛行機に、日本製品を積んで、商売するわけにはいかないでしょう。
 「アメリカの財政赤字の状況」と「アメリカ軍の再編成」を見ながら、
日本の空母を検討すべきです。
今のアメリカの財政では、全世界に、
「空母セット」を展開することはできないはずです。











































































トップページへ戻る